今回は、アームカールの中でも「上腕筋」を集中的に鍛えるためのトレーニングである、「コンセントレーションカール」のやり方について紹介していきます。
この記事の目次
コンセントレーションカールの概要
コンセントレーションカールとはアームカールの一種で、ダンベルを持って椅子やベンチに座り、肘を固定した状態でダンベルを上げ下げするトレーニングです。
通常のダンベルカールではダンベルの上げ下げを行う時に、肩関節を動かしたり背中を反らせて反動を使ってしまうことが起こりやすいですが、コンセントレーションカールでは肘を固定するため、肩関節が動いてしまったり、反動を使って上げ下げするといったことが起こりにくいのが特徴です。
椅子やベンチに限らず、ソファーやベッドの淵など、腰掛けることができる場所とダンベルさえあればどこでもできますし、トレーニングフォームはそれほど難しいものではなく負荷を調整しやすいので、筋トレ初心者向けに非常におすすめなトレーニング種目です。
トレーニングの種類としては、肘関節のみを動かしてトレーイングすることから、アイソレーション種目(単関節種目)となります。
そのため、トレーニングメニューとして取り入れる場合は、後半に行うようにするといい具合に追い込むことができます。
ターゲット部位
コンセントレーションカールで鍛えることができる部位は、「上腕二頭筋」と「上腕筋」と「腕橈骨筋」となります。
上腕二頭筋は、いわゆる力こぶを作り上げる部分なので、ここを鍛えることで腕の筋肉がポコッと盛り上がり太くて逞しい腕を作り上げることができます。
上腕筋は、上腕筋よりも深い部分に存在している筋肉で、いわゆるインナーマッスルとなる部分です。上腕二頭筋と同様に、肘を曲げたときに使われる筋肉なのであまり注目されない部分ではありますが、より深いところにある筋肉なので、腕の太さや厚さを底上げする意味でもぜひとも鍛えていきたい筋肉です。
腕橈骨筋は前腕部分の筋肉であり、腕まくりした時など目に留まりやすい筋肉です。そのため、ここを鍛えれば前腕が太くたくましい印象を与えることができるでしょう。ただ、腕橈骨筋はあくまでもサブターゲットとして効くだけなので、この筋肉をメインターゲットとして鍛える場合は、「ハンマーカール」などに取り組ことをお勧めします。
コンセントレーションカールのやり方
(1)片手にダンベルを持ち、ベンチなどに座ります。足は肩幅よりも大きく広げます。
(2)ダンベルを持った腕の肘を、同じ側の足の内ももに当てて固定します。
(3)息を吐きながら肘をまげてダンベルを上げていきます。この時、肘は固定したままにします。
(4)上げ切ったところで1秒止めたら、息を吸いながらスタートポジションに戻していきます。
(5)(2)~(4)を必要回数行ったら、今度は反対の手にダンベルを持ち同様の動作を行っていきましょう。
トレーニングメニューとしては、8回~12回を両手で行うのを1セット。それを3セット行うといいでしょう。セット間の休憩時間は1分~1分半程度としましょう。
重量設定
男性であれば4kg、女性であれば2kgくらいから始めて、自分の体力に合わせて重量を上げ下げしましょう。
自分にとって重量設定が適正かどうかの目安としては、10回程度で限界回数を迎えるくらいと考えるといいでしょう。
個人的には、6回くらいできつくなってきて、8回目で腕が動かなくなってきて、9回目をこなした後は気合でラスト1回、といった感じで判断しています。
コンセントレーションカールと併せて取り組みたいメニュー
アームカール系の種目では、どの種目でも上腕二頭筋や上腕筋、腕橈骨筋、等を鍛えることができますが、トレーニング動作が微妙に違っていることからまんべんなくしっかりと鍛えるためには複数のトレーニングを組み合わせて行うことが効果的です。
個人的には、「ダンベルカール「 → 「ハンマーカール」 → 「コンセントレーションカール」といった組み合わせが効いているように感じるので参考にしてもらえれば幸いです。
トレーニングのコツ・注意点
コンセントレーションカールは一見とても簡単なトレーニングに見えますが、コツを抑えないとしっかりとトレーニング効果を得ることはできません。
そのため、下記のような部分について注意しながらトレーニングを行うようにしましょう。
常に呼吸を意識すること
筋肉が酸欠になるのを防止したり、血圧が上昇するのを抑えたり、筋肉が力を発揮できるようにしたりと、トレーニングをするうえで呼吸というのはとても大切なものです。
コンセントレーションカールでは、「息を吐きながらダンベルを上げて、息を吸いながら下ろす」というのを心掛けながら取り組むようにしましょう。
肘が動かないように固定すること
コンセントレーションカールは、ダンベルカールやハンマーカールといった他のアームカールと違い、肘を固定して行うことから、肩関節が動いたり、体を反らせて反動を使って持ち上げてしまったりということが起こりにくい種目です。
ただ、しっかりと固定されていない状態だと、肩関節を動かしてしまったり、反動を使ってしまうということが起こりやすくなってしまいます。
そのため、足に肘をしっかりと固定して行うように常に意識するようにしましょう。
下ろした時に肘を伸ばし切らないこと
コンセントレーションカールは、肘を曲げ伸ばしする動作となっていることから、肘関節や靭帯に負荷がかかっています。
動作中、肘を伸ばしきってしまうと、負荷がすべて肘にかかることになってしまい、痛める可能性が非常に高くなってしまいます。
※イメージ的には、肘に逆関節をきめたのを想像すると分かりやすいかと思います。
下で説明してますが、常に筋肉に力が入っている状態にすることで、より効率よく鍛えることができますので、コンセントレーションカールを行う時は、肘を伸ばし切る一歩手前で止めるようにしましょう。
下ろし切った時と上げ切った時に脱力しないこと
ダンベルを下ろしきった時と上げ切った時に脱力してしまうと、筋肉に係っていた負荷が逃げてしまいます。
一見すると大したことが無いように見えますが、回数をこなしていくと、この差というのが徐々に出てきます。
また、上でも軽く説明していますが、ダンベルを下ろしきった時に肘を伸ばしきると、ダンベルの負荷がすべて肘に係ることになり痛める可能性が高くなります。
そのため、トレーニング効率を上げるためにも、下ろしきった時と上げ切った時も常に筋肉に負荷がかかっていることを意識しながら行うようにしましょう。
反動を使わないこと
回数をこなして筋肉が疲労してくると、辛くなってきて、肩をすくめるようにして行ったり、体全体の反動を使って行ってしまうことがあります。
コンセントレーションカールはそういったことが起こりにくいトレーニング種目ではありますが、起こらないとも限りません。
もし、肩をすくめたり反動を使わないとできないなら、それはすでに限界まで疲労しているか、重量設定が重すぎるということになりますので、目標回数の途中で切り上げるか、重量を軽くして行うようにしてください。
そのまま続けると、間違ってフォームとして体が覚えてしまったり、変な感じで筋肉がついてしまったり、怪我の原因になってしまうので気を付けましょう。
トレーニング効果
コンセントレーションカールで鍛えることができる部位は、「上腕二頭筋」と「上腕筋」と「腕橈骨筋」です。
いわゆる力こぶと呼ばれる部分の筋肉となるので、太く逞しい腕作りを目指すうえで大きな効果が期待できるでしょう。
また、これらの筋肉は「肘を曲げて引く」といった動作になりますので、スポーツ面では柔道や綱引き、テニスのトップスピンを掛ける時などに使われることから、これらの動作を強化する効果も期待できます。
さらに、日常生活では買い物袋やカバンを持ったりする時に使われますので、日常生活の部分でも筋力アップ効果が期待できます。
まとめ
以上、コンセントレーションカールについての紹介でした。
コンセントレーションカールはそれほど難しいトレーニング種目ではないので、筋トレ初心者から始めることができるとてもおすすめのトレーニング種目です。
腕を鍛えて大きな力こぶを作り、逞しい腕を手に入れるためにもぜひ日々のトレーニングに取り入れていきましょう!