今回は、通常の腕立て伏せ(プッシュアップ)の手幅を広げることで、大胸筋に集中的に負荷をかけて鍛えるトレーニング種目である、「ワイドプッシュアップ」(ワイドスタンスプッシュアップ)について紹介していきます。
この記事の目次
ワイドプッシュアップの概要
「ワイドプッシュアップ」とはワイドスタンスプッシュアップともいわれる、腕立て伏せ(プッシュアップ)のバリエーショントレーニングです。
通常の腕立て伏せ(プッシュアップ)との違いとして、通常の腕立て伏せ(プッシュアップ)では手の幅を肩幅より手のひら1つ分ほど(肩幅の約1.2倍~1.3倍)開けて行うのに対して、ワイドプッシュアップの場合は手のひら2つ分ほど(肩幅の約1.5倍)開けて行います。
鍛えられる部位として、通常の腕立て伏せ(プッシュアップ)では「大胸筋」をメインターゲットとして、「三角筋の前部」、「上腕三頭筋」といった肩から腕の筋肉をバランスよく鍛えることができるのに対して、ワイドプッシュアップでは手の幅が広がることで「上腕三頭筋」の関与が小さくなるため、「大胸筋」にかかる負荷を大きくすることができます。
また、「インクラインプッシュアップ」や「デクラインプッシュアップ」を行う時にも応用することができるため、それぞれの種目において、「大胸筋の下部」や「大胸筋の上部」にかかる負荷をより大きくすることができます。
トレーニング種目としては、コンパウンド種目(複合関節種目)となることから、大胸筋のトレーニングをする際は最初の方に行うようにしましょう。
筆者が自宅でトレーニングを行う時に取り入れるとしたら、「通常の腕立て伏せ」→「ワイドプッシュアップ」→「ナロープッシュアップ」→「デクラインプッシュアップ」→「ワイドデクラインプッシュアップ」→「パーム・プッシュ」といった感じでしょうか。
ワイドプッシュアップのやり方
それでは、ワイドプッシュアップのやり方について確認していきましょう。
(1)腕を肩幅より手のひら2~2.5つ分ほど開けて、両手とつま先を床につきます。
(2)足から首まで一直線になるよう姿勢を整え、目線は1メートルくらい先を見るようにします。
(3)息を吸いながら、肘関節を曲げて身体を地面に付かない程度まで下げます。
(4)下がりきったところで1秒キープしたら、地面を押し上げながら(2)の姿勢に戻ります。
(5)(2)~(4)の動作を繰り返します。
回数としては、10回~15回程度を3セット。
セット間の休憩時間は、効率よく筋肥大させるためにも1分程度としましょう。
ワイドプッシュアップの注意点
ワイドプッシュアップは通常の腕立て伏せよりも手の幅が広い分、上体を沈み込ませた時に手首にかかる負担も大きくなるため、手首が固かったりストレッチが不十分だと怪我をする恐れがあります。
そのため、ワイドプッシュアップを行う前には、しっかりと手首のストレッチをして怪我の防止に努めましょう。
また、手の幅が広くなることで、お尻が下がったり、逆にお尻が上がったりと、フォームが崩れてしまうことがあります。
効率よく鍛えるためには正しいフォームで行う必要があるので、つま先から頭の先までまっすぐになるように常に注意しながら行うようにしましょう。
ワイドプッシュアップの効果
基礎代謝が上がりダイエット効果がアップする
大胸筋を鍛えて発達させることにより、筋肉量が増えるため基礎代謝がアップします。
基礎代謝がアップすることにより、黙っていても消費されていくカロリーが増えるため、ちょっとした食事制限で体重を落としやすくなったり、太りにくい体質になったりと、ダイエット面で見ると非常に優れた効果が期待できます。
トレーニングモチベーションを維持しやすい
大胸筋は体の前にある筋肉なので、鏡で見た時すぐに確認することができるため、自分の目や鏡で確認しずらに背中の筋肉と比べて、トレーニングの成果が目に見えます。
また、大胸筋は体の中でも筋肉量が多い部位ですので、鍛えたときに増えることからトレーニング効果が早く出やすいため、トレーニングに対するモチベーション高いままで維持できる効果が期待できます。
洋服をかっこよく着こなせるようになる
近年は日本人向けに細身のシャツなども作られてきていますが、そもそも洋服はガタイのいい外国人向けに作られている服装です。
特に、スーツはその最たるもので、スポーツ選手や海外の俳優を見てわかる通り、スーツをめちゃくちゃかっこよく着こなしていますよね?あのようにかっこよく見える理由としては、大胸筋が発達することで体にメリハリができて、ジャケット姿にボリュームが生まれるからと言われています。
また、大胸筋が発達しているとTシャツ1枚のスタイルでも、かっこよく決まって見えるので、「ぶっちゃけおしゃれに自信がない・・・」といった方は、大胸筋を鍛えることをおすすめします。
スポーツパフォーマンス向上
大胸筋は、腕を内向きに捻る動作や、腕を前方に押し出す時に使われる筋肉です。
そのため、大胸筋を鍛えることで、野球のバッティングやピッチング、テニス・卓球のスイング、陸上の投てき種目(やり投げ、砲丸投げ、円盤投げ等)、ボクシングのフックやアッパー動作において能力の向上が期待できます。
まとめ
以上、ワイドプッシュアップについての紹介でした。
通常の腕立て伏せよりも大胸筋を集中的に鍛えることができるので、「大胸筋を鍛えたい!」といった方は、積極的に取り組んでいきましょう。
また、ワイドプッシュアップは、通常の腕立て伏せよりも手幅を広くすることで、手首にかかる負担も大きくなるためフォームに慣れるまではキツイと感じるかもしれませんが、自重で大胸筋を集中的に鍛えるという意味では非常に優れたトレーニング種目です。
早めに習得して、日々のトレーニングバリエーションを増やしトレーニングを充実させましょう。