今回は、大胸筋の下部を鍛えるためのトレーニングである「インクラインプッシュアップ」のやり方・効果について紹介していきます。
大胸筋は、上部・中部・下部から成り立つ上半身の中でも非常に大きな筋肉でが、一般的に大胸筋を鍛えるトレーニングと言えば「「ベンチプレス」や「腕立て伏せ」といった、上部・中部をメインとしたトレーニングなので、下部を鍛えるためには「インクラインプッシュアップ」や「ディップス」といった、専用のトレーニングを取り組んでいく必要があります。
もし、大胸筋下部を鍛えるのを怠ると、大胸筋がいまいち締まらず、せっかく鍛えているのに微妙なシルエットになってしまいますので、しっかりと「インクラインプッシュアップ」のやり方を覚えて日々のトレーニングに取り入れて、かっこいい上半身を目指しましょう!
この記事の目次
インクラインプッシュアップの概要
インクラインプッシュアップとは、腕立て伏せ(プッシュアップ)のバリエーショントレーニングの1つで、主に鍛えられる部位は「大胸筋下部」になります。
動作としては、頭を上にして体を斜めにして、斜め下に腕を押し出すようにして、腕立て伏せを行っていきます。
トレーニング強度としては、体を横にして行う腕立て伏せや、頭を下にして行う「デクラインプッシュアップ」と違い、頭を上にして上体を斜めにして行うことから、比較的に低くなるので、筋トレ初心者にもおすすめのトレーニングです。
そのため、腕立て伏せを正しいフォームでこなせないといった人は、インクラインプッシュアップから初めていくのがおすすめ。
トレーニングの種類としては、コンパウンド種目(複合関節種目)となるので、大胸筋のトレーニングを行っていくときはトレーニングの最初の方に行うようにすると、質の高いトレーニングを行うことができます。
ちなみに筆者が自重で大胸筋トレーニングを行う時は、「腕立て伏せ」→「デクラインプッシュアップ」→「ディップス」→「インクラインプッシュアップ」→「パームプッシュ」といった感じでやったりしますので参考までに。
インクラインプッシュアップのやり方
続いて、インクラインプッシュアップのやり方について説明していきます。
始める前に準備してほしいものは、上体を斜めにして体重を預けても大丈夫なものです。自宅で行う場合にお勧めなのは、「ベッド」、「机」、「椅子」、「バランスボール」、外で行う時は「公園のベンチ」、「低い鉄棒」等がおすすめです。
インクラインプッシュアップの正しいフォームを解説した後は、インクラインプッシュアップのメニューをご紹介いたします。インクラインプッシュアップの目安となる回数&セット数まで把握しておきましょう。
(1)両手を高さがあるものに乗せて、体を傾けて腕立て伏せの姿勢を取ります。両足は閉じてください。(スタートポジション)
→この時の角度は、30度~45度くらいを目安にしましょう。
(2)息を吸いながら、肩甲骨を寄せて大胸筋が収縮するのをしっかりと感じながら、肘をまげて行きます。
(3)胸が両手を置いているものにつくギリギリのところで止めて、息を吐きながら(1)の姿勢に戻します。
(4)(1)~(3)の動作を繰り返していきます。
【参考動画】
トレーニングメニューとしては、15回~20回を1セットとして、3セット行いましょう。筋肥大を目指していくため、セット間の休憩時間は1分程度としましょう。
インクラインプシュアップで注意すること
インクラインプッシュアップは、通常の腕立て伏せよりも強度が低いので、いつも以上に意識する必要があるので、まとめて紹介していきます。
早く行わないこと
インクラインプッシュアップでは大胸筋下部を鍛えて筋肥大・筋力アップを目的としているので、ゆっくりと負荷をかけていくことを意識していくことが重要になります。
もし、早く行ってしまうと、大胸筋下部に十分な負荷がかからず、疲れたけどあんまり効果がない・・・といったことになってしまいますので注意が必要です。
上体を下ろす時、上げる時の動作すべてをゆっくりと行うようにしましょう。
体をまっすぐにするのを常に意識すること
プッシュアップ系のトレーニングのすべてに言えることですが、常に状態がまっすぐになることを意識しましょう。
最初のうちは上体をまっすぐにすることを意識できているかと思いますが、疲れてくると無意識に筋肉を休ませようとしてお尻が下がってきたり、逆上がってきてしまいます。
無意識にそんな姿勢をしてしまうということは、つまり楽な姿勢ということなので筋肉への負荷が弱くなっている証拠。
セット後半の疲れた時こそ、体がまっすぐになるように常に意識して行いましょう。
肩甲骨をしっかりと寄せて行うこと
大胸筋のトレーニングを行う時、肩甲骨をぐっと内側に寄せることで、大胸筋の可動域が広がるのでより広い範囲で刺激を入れることができるようになります。
また、肩甲骨を寄せないで行うと、無意識のうちに背中が丸まったりしてしまいトレーニング効果が落ちてしまうこともありますので、しっかりと肩甲骨を寄せて行うように意識することが大事です。
スタートポジションの角度を30度~45度にすること
インクラインプッシュアップは角度の調整が非常に重要!
あまり角度が広いと、負荷がめちゃくちゃ低くなりトレーニング効果をほとんど得ることができなくなってしまいます。
また、角度が狭いと、通常の腕立て伏せのようになってしまい、大胸筋下部ではなく、大胸筋中部・上部、三角筋への負荷が大きくなってしまいます。
そのため、スタートポジションの角度は30度~45度くらいにして行うようにすると効果的です。
インクラインプッシュアップの効果
インクラインプッシュアップで大胸筋下部を鍛えることで、体として非常にうれしい効果がたくさんあります。ここでは、その効果について確認していきましょう。
胸周りがきれいに発達する
冒頭でも説明しましたが、大胸筋は大きく分けると上部・中部・下部の3つの部位から成り立つ、上半身の中でも非常に大きな筋肉です。
その中でも、上部と中部はトレーニングメニューが豊富なので鍛えやすいですが、下部はなかなか鍛えにくいです。
ただ、下部が発達しないと、せっかく大胸筋上部と中部が発達しているのに、腹筋との境目があいまいになり、不格好に見えてしまうことがあります。こうなると、せっかく鍛えていても本末転倒ですよね?
大胸筋下部が発達すると、大胸筋が下から持ち上げられるような形になるので、胸筋の形がきれいになり腹筋との境目がくっきりするので、しっかりとした分厚い胸板になります。
また、女性の場合は胸が引き上げられるので、バストアップの効果も期待できます。
基礎代謝が上がりダイエット効果がアップする
大胸筋は上半身の中でも大きい筋肉の1つ。その大胸筋下部を鍛えて発達させることにより、筋肉量が増えるため基礎代謝がアップします。
基礎代謝がアップすることにより、黙っていても消費されていくカロリーが増えるため、ちょっとした食事制限で体重を落としやすくなったり、太りにくい体質になったりと、ダイエット面で見ると非常に優れた効果が期待できます。
トレーニングモチベーションを維持しやすい
大胸筋は体の前にある筋肉なので、鏡で見た時すぐに確認することができるため、自分の目や鏡で確認しずらに背中の筋肉と比べて、トレーニングの成果が目に見えます。
また、大胸筋は体の中でも筋肉量が多い部位ですので、鍛えたときに増えることからトレーニング効果が早く出やすいため、トレーニングに対するモチベーション高いままで維持できる効果が期待できます。
洋服をかっこよく着こなせるようになる
近年は日本人向けに細身のシャツなども作られてきていますが、そもそも洋服はガタイのいい外国人向けに作られている服装です。
特に、スーツはその最たるもので、スポーツ選手や海外の俳優を見てわかる通り、スーツをめちゃくちゃかっこよく着こなしていますよね?あのようにかっこよく見える理由としては、大胸筋が発達することで体にメリハリができて、ジャケット姿にボリュームが生まれるからと言われています。
また、大胸筋が発達しているとTシャツ1枚のスタイルでも、かっこよく決まって見えるので、「あんまりおしゃれなコーディネートに自信がない・・・」といった方は、大胸筋を鍛えることをおすすめします。
まとめ
以上、インクラインプッシュアップについての紹介でした。
大胸筋のトレーニングの中でも、忘れがちな大胸筋下部。
ダイエット面やボディメイクの面でも、忘れてはいけない部位ですので、やり方や効果をしっかりと覚えて日々にトレーニングに取り入れ、理想の体を目指していきましょう!