逆三角形のがっちりとした上半身を作り上げるためには、胸筋や肩の筋肉だけではなく、背中の筋肉もしっかりと鍛えて広く厚い背中を目指していく必要があります。
そこで今回は、背中のトレーニングの中でも背中を厚くするために非常に効果的なトレーニングである、「Tバーロウ」のやり方について紹介していきます。
Tバーロウとは?
「Tバーロウ」とは、バーベルの片方にプレートを付けて跨ぎ両手でバーベルを引き上げるといったトレーニングです。
このトレーニングの特徴は、バーベルの片端が床についていることから、引き上げる時の軌道が決まっており、足と腰の負荷を軽減しながら安全に背中を鍛えることができるといったものです。
背中を厚くするためのトレーニングといえば「ベントオーバーローイング」が有名ですが、バーベルを両手で持ち上げて行うことからフォームが崩れやすく、慣れるまでは高重量を扱いにくいといったデメリットもあります。
一方、Tバーロウは軌道が固定されており、トレーニングマシンのようにトレーニングを行えるので、ベントオーバーローイングよりも高重量を扱うことができ、より強い負荷を筋肉にかけてトレーニングを行うことができるといったメリットがあります。
トレーニングの種類としては、一連の動作で複数の関節と筋肉を使うことから「コンパウンド種目(複合関節種目)」となっております。
そのため、複数のトレーニングを組み合わせてメニューを組むときは最初の方に行うようにしないと、一連の筋肉が疲労して後に行うトレーニングの効果が落ちてしまう恐れがあるので注意が必要です。
Tバーロウで鍛えられる筋肉
Tバーロウで鍛えることができる筋肉は、『広背筋』と『僧帽筋』になります。
参考:広背筋
参考:僧帽筋
これにより、背中に厚みが増し背中全体が大きくなるため、逆三角形の体型を作り上げるうえで重要な筋肉です。
Tバーロウのやり方
(1)床に置いた状態で、バーベルの片方にプレートをつけます。
(2)プレートのつけた方を前にバーベルを跨ぎ、足幅は肩幅より少し広くします。
(3)お尻を後ろに突き出して、背中を真っすぐにした状態で、両手でバーベルを持ちます。
→この時、背中の角度は45度くらいにします。
(4)肩甲骨を寄せて、両肘を曲げながらバーベルを持ち上げていきます。
(5)上げ切ったところで1秒静止して、ゆっくりと元に戻します。
(3)~(5)の手順を繰り返していきます。
トレーニングメニューとしては、10回×3セット程度として、セット間の休憩時間は1分~1分30秒程度にしましょう。
重量設定は、いきなり高重量で行うのではなく、初めて行う場合は男性であれば15kg、女性であれば10kg程度からはじめていき、自分の筋力に合わせて上げ下げしましょう。
Tバーロウの注意点・コツ
Tバーロウは軌道がしっかりと決まっているトレーニングなので、比較的怪我をしにくいトレーニングではありますが、それでもウエイトを使って行うため、誤った方法で行うと怪我をする確率は非常に高くなります。
また、誤った方法で行うと、トレーニング効果が減少してしまい、疲れたのに効果があまりないといったことになりかねませんので、下記の事に注意しながら行うようにしましょう。
背中をまっすぐにして行うこと
腰の怪我を防止するためにも、背中を丸めないように腹圧をかけて行うようにしましょう。
また、持ち上げる時に腰を反らせ過ぎてしまっても腰を痛める原因になってしまうので、背中がまっすぐになるように常に意識するようにしましょう。
肩甲骨をしっかりと寄せること
肩甲骨をしっかりと寄せないままバーベルを持ち上げると、背中に筋肉だけではなく腕の筋肉(上腕二頭筋)にかかる負荷が大きくなってしまいます。
その結果、背中の筋肉を追い込めないまま腕の疲労が限界になってしまう、といったことになってしまいます。
胸を張るようにイメージしながら行うと、肩甲骨をしっかり寄せることができるので参考にしてみたください。
呼吸をしっかりと意識すること
息を止めたままトレーニングを行うと、筋肉が酸欠状態になり、血圧が急激に上昇してしまうといった原因になってしまいます。
そのため、息を吸いながら持ち上げて、息を吐きながら元に戻すことを意識しましょう。
下ろすときはゆっくり下ろすこと
下ろすときはゆっくりするべき理由は2つあります。
1つ目は、早くおろすと急激に腰や下半身に負荷がかかることから、腰やひざ、肩などを痛めてしまう原因になってしまいます。
2つ目は、下ろすときの動作中(ネガティブ動作)でも筋肉に負荷がかかり続けています。
早くおろすと、せっかく筋肉にかかるはずだった負荷が弱まってしまうことになってしまいます。
そのため、怪我の防止・トレーニング効果を高めるためにもゆっくりと下ろしていくようにしましょう。
腕をまっすぐ引くこと
バーベルを体に引き寄せるときに肘が外側に開いてしまうと、肩甲骨が内側に寄りにくくなるため、広背筋に効きにくくなってしまいます。
そのため、バーベル引き上げるときは、肘を体から離さないように後ろにまっすぐ引くようにして行うようにしましょう。
Tバーロウの効果
Tバーロウで「広背筋」「僧帽筋」を鍛えることで、次のような効果が期待できます。
(1)背中の厚みが増す
Tバーロウは、引く動作で広背筋を鍛えることから、背中の横幅を広げるだけではなく、厚みも増す効果も期待できます。
懸垂やデッドリフトでは、背中の横幅を広げるといった効果は期待できますが、厚みを増すといった効果はそれほど期待できません。
そのため、そういったトレーニングと組み合わせることで、背中を横に広げつつ厚みを持たせるといった効果が期待できるでしょう。
(2)ダイエット効果
Tバーロウで鍛えられる筋肉である広背筋は、体の筋肉の中でも非常に大きな筋肉です。
その筋肉を大きくすることで基礎代謝が上がることから、消費されるカロリーが増えるので、痩せやすく太りにくい体質になります。
(3)スポーツパフォーマンス向上
広背筋は手で持ったものを体に引き寄せる時に使われる筋肉です。
そのため、広背筋を鍛えることにより、そういった動作が含まれる柔道、ボクシング、レスリング、ボートなどのパフォーマンスを向上させる効果が期待できます。
まとめ
以上、「Tバーロウ」のやり方と効果についての紹介でした。
背中を鍛えるためのウエイトトレーニングの中でも、軌道が決まっているので比較的安全にできるトレーニング種目です。
バーベルがあれば行うことができるので、背中のトレーニングに迷ったときはぜひ取り入れてみましょう!