下半身の筋肉の中でも太ももの筋肉は、スポーツをする時や日常生活などありとあらゆる場面で使われる非常に重要な筋肉です。
ただ、ある程度スポーツをやったことがある人ならわかるかと思いますが、ちょっとしたことで痛めてしまうことが多い部分でもあります。
私も、学生時代陸上部に所属していた時は、肉離れで大会を棄権するなど怪我に悩まされてきた経験があります。
そこで今回は、私の経験をもとに太ももも筋肉の怪我を防止するための予備知識について紹介していきます。
この記事の目次
太ももの筋肉の仕組み
一口に筋肉と言っても実は部分によって構造が違い、それぞれ違った役割があります。
1つ目が、筋繊維が斜めに走っている『羽状筋』
2つ目が、平行に筋繊維が走っている『平行筋』
太ももの筋肉でいえば、前太ももの筋肉である『大腿四頭筋』が『羽状筋』、後ろ太ももの筋肉である『ハムストリングス』が『平行筋』になります。
それぞれの筋肉の役割
『平行筋』はスピード発揮に優れる
平行筋はそれぞれのの筋線維がほぼ平行に走っているため、1本の筋線維が縮む距離=筋肉全体が縮む距離となります。
1本の筋繊維が20%収縮したとしたら、筋肉全体も20%収縮するということです。
そのため、筋肉の収縮スピードが速い=スピード発揮に優れる、といった特徴があります。
『羽状筋』は筋力発揮に優れる
羽状筋は筋線維が斜めに走っていることから、1本の筋線維が収縮した距離よりも、筋肉全体が縮む距離は短くなります。
1本の筋繊維が20%収縮したとしても、全体としては10%ほどしか収縮しないということです。
そのため、筋線維が出したスピードが筋肉全体のスピードに反映されないことになるので、速度といった点に関しては平行筋より不利ということになります。
ただし、羽状筋は平行筋と比べてそれぞれの筋線維が短い分、平行筋より多くの筋線維が筋肉の中に詰まっていることになるため、同じ大きさの筋肉とした場合、約1.5倍ほどの筋力を発揮することができると言われています。
なぜ太ももの怪我が多いのか?
走ったり跳んだりするときは、大腿四頭筋とハムストリングスが同時に収縮することになります。
この時、羽状筋である大腿四頭筋はハムストリングスよりも発揮する筋力が大きいことから、ハムストリングスの筋力が不足しているとテンションに耐え切れず肉離れなどの怪我を引き起こしてしまうことになります。
陸上の短距離やサッカー、バスケ、野球など、全力疾走する動作が多いスポーツ選手が太ももの肉離れを引き起こす頻度が多いのはこういったことが原因の一つです。
また、大腿四頭筋の怪我の原因として多いのは、ウォーミングアップ不足や急な運動により、筋肉が十分に温まっていない状態で大きな力を発揮すると十分に筋繊維が収縮せず、肉離れなどの怪我を引き起こしてしまうことが挙げられます。
怪我を防止するために
怪我を防止するためには、筋肉のバランスをとるということが効果的です。
そのため、太もものトレーニングを行う時は、大腿四頭筋だけではなくハムストリングも忘れないで鍛えるということが大切です。
トレーニングメニューだと、レッグエクステンションだけではなくレッグカールもセットで行うようにしましょう。
また、ウォーミングアップを忘れたり十分でない場合も怪我の原因になりますので、運動をする前にはしっかりとウォーミングアップを行い筋肉を十分に温めてから動くようにしましょう。
最後に
以上、太ももも筋肉の怪我を防止するための予備知識についての紹介でした。
一口に筋肉と言っても、『羽状筋』と『平行筋』の2種類の作りの筋肉があり、『平行筋』はスピード発揮に優れる筋肉で『羽状筋』は筋力発揮に優れる筋肉ということがわかっていただけたかと思います。
また、怪我は筋肉のバランスが取れていないことにより引き起こされることがありますので、偏らずバランスよく鍛えていくことが大切です。
太ももの怪我は一度でもしてしまうと癖になりやすく、本人は治ったと思ってもトレーニング中や試合中などのふとした瞬間に再発してしまう恐れが非常に高い部分です。
そういったことにならないためにも、こういった知識を押さえて日々のトレーニングなどに役立てください。